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いきなり個人情報が丸裸に
準備ができたところで、実際に申し込んでみる。
ただし、今回は実験ということで、融資額は10万円ちょうどにしてみた。
しかも一括返済という条件で。
まず、先程のDにもう一度電話をかけてみた。
「申し込みをしたいのですが」
「新規の方ですね。希望額はおいくらになりますでしょうか?」
「10万円なのですが、一括返済は可能でしょうか?」
「大丈夫ですよ。支払回数は自由ですから。ではまず、お客様のお名前をフルネームでお願いします」
名前の他には、年齢、生年月日、現住所、持ち家か賃貸か、住居年数、家賃、勤務先の会社名と連絡先、社員数、勤続年数、健康保険の種類、月収と年収、配偶者の有無などを聞かれた。
いきなり個人情報が丸裸にされた状態である。
しかもカウンターで面と向かって申し込みをするより、電話でのやりとりの方が同じ質問でもどこか心地悪く感じてしまうから不思議な気持ちになる。
一瞬、答えに詰まったのが借りたお金の使用目的を問われた時。
つい友人への返済と言ってしまったのだが、これでは俗にいうつなぎになってしまい、ちょっと心証が悪い。
これからは、同じことを聞かれた時にちゃんと返せるように答えを用意しておいた方がいいだろう。
「他店での借り入れについてお伺いしたいのですが、現在他に何店舗から借りていますでしょうか?」
「今のところは1店舗もありません」
「では以前に返済が遅れてしまったとか、トラブルになった経験はありますでしょうか?」
「いえ、今まで消費者金融で借りたことがないので」
おそらく自分のような人間も珍しいのかもしれないが、嘘をついても照会されれば、バレてしまうと思ったので正直に答えた。
「では今からこちらで審査をさせて頂きますので、約20分後にもう一度お電話いただけますか」
広告には20分スピード審査と書いてあったのは、一度電話を切ってからもう一度かけるまでの20分で審査をするという意味らしい。
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口頭だけで審査をしてくれることはない
最初に電話をかけたのは、某夕刊紙に大きめの広告を出していた業者。
電話に出たのは、20代後半とおぼしき男性である。
ハキハキした口調で、やくざっぽい印象はない。
「ありがとうございます、信用融資のDでございます。お客様、お申込みですか」
「いえ、ちょっとシステムを教えて頂こうかと・・・」
「ハイ。まず、こちらからお客様についていくつか質問をいたします。それで審査しまして問題なければ、今度は本人確認として身分証明書をファックスでお送りして頂きます。お客様の銀行口座への振込はそれからですね」
「何時までに申し込めば、その日中に振り込んでもらえるんですか」
「審査の結果次第ですが、銀行が3時で終わりますから、遅くとも1時過ぎくらいでしょうか。それ以降だと翌日付になっちゃうんですよ」
「なるほど。で、返済方法は・・・」
「当社の口座への振込みとなりますが」
その後、D以外にもいくつかの業者に問い合わせたが、結果は似たり寄ったり。
やはり、口頭だけで審査をしてくれるなんて、あまりにもムシが良すぎる話らしい。
最低でも、身分証明書をファックスなどで相手側に見せる必要があるのだ。
そこで、運転免許証、健康保険証、会社の社員証、パスポートと、持っているかぎりの身分証明書を揃えた。
もちろん、振込み用の銀行通帳も用意。これで完璧である。
借金整理 相談 弁護士
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【参考URL】http://www.consommerautrement.biz/ -
電話だけでどうやって本人確認をするのか?
金融機関からお金を借りる場合、特に新規で申し込む場合は、窓口で身分証明書を提示し、本人確認を経て借りるのが常識である。
これは銀行だろうが消費者金融だろうが変わらない。
ところが、スポーツ新聞や有冠、電話ボックス内のチラシには、「電話1本で審査、即日振込にて融資」などといった広告を出している金融業者がある。
利率は30~40%、融資額は上限50万円とうたっていることが多い。
広告の言葉通りに受け取れば、わざわざ店まで足を運ばなくても自宅にいながらにして金が借りられることになる。
考えてみれば、無人契約機よりもさらに便利なシステムである。
だが、その分疑問も多い。
まず、電話だけでどうやって本人確認をするのか?
いくら条件に合う額でも、社会的身分や連絡先を証明できなければ、実際に金を貸してくれるとは思えない。
口頭だけでは限界があるだろう。
さらに、本当にその日のうちに金を振り込んでくれるのか。
銀行振り込みを利用するだけに、時間的なリミットがあるはずだ。
融資を申し込む前に、まずはいくつかの業者に問い合わせ、大まかなシステムを聞いてみることにした。